フェイスの向きが、10度傾くだけで、ボールが飛んでいく方向は変わってしまいます。
ゴルフは、ほんの少しのフォームの乱れがミスを引き起こす、とても繊細なスポーツです。
思い切り力を込めてクラブを振り抜く中で、フェイスの向きをターゲットに向けコントロールしなくてはいけません。
極力ミスを少なくし正確なショットでボールを飛ばす方向をコントロールしていくのが、ゴルフというスポーツですよね。
しかし、ミスしないようにと意識すればするほどなぜかミスを連発してしまう、といったことはありませんか?
「ダフらないように、ダフらないように…」注意したにも関わらず、ボコッと地面を叩いて芝生の塊が宙を舞う…。そんな経験はありませんか?
「ミスしそう」と思ったら、本当にミスしてしまったことがあるゴルファーは多くいると思います。
この背景には、スポーツ心理学的な理由があるんです。
ミスショット連発の理由と対処法をご紹介していきます。
ミスショット最大の原因
ミスショットを招く原因があります。
それは『ミスしているシーンを想像すること』です。
人の体はイメージした通りに動こうとする特性があります。
綺麗なフォームをイメージしながら練習することによってこの特性をうまく活用した『イメージトレーニング』を行うことも可能です。
しかし、逆に悪いイメージに体が反応し、ミスショットを招く原因にもなり得るのです。
「イメージ?そんなの本当に関係あるの?」と信じきれない方も多くいると思いますが、スポーツ心理学の分野では、イメージが体の動作に大きな影響を与えることを証明する研究が多くあります。
その中の1つを紹介していきます。
勝手に動く5円玉
イメージした通りに体が動くというのを証明する、簡単な実験があります。
5円玉に糸をつけ、糸を指でつまんで5円玉を吊るします。
5円玉の揺れを抑えたら、実験スタートです。
5円玉が振り子のように左右に動くイメージを思い浮かべます。
すると、不思議と5円玉がイメージした通りに動き始めるのです。
前後に揺れるのをイメージすれば、5円玉は前後に動きます。
時計回りに円を描くイメージをすれば、その通りに動きます。
「5円玉が左右にに動かないように!」と言われたらどうなると思いますか?
この場合も5円玉は左右に動き始めます。
これは一体どういうことなのでしょうか?
これから説明していくのでこのまま読み進めてください!
絶対に想像してはいけません…
今から言うことを絶対に想像しないでくださね。
真っ赤なカラスがいるらしいです。
翼も真っ赤。くちばしも真っ赤。足も瞳も真っ赤なカラスです。
絶対に、この赤いカラスの姿を想像しないでください。
・・・どうですか?想像せずにいられましたか?
きっと、真っ赤なカラスの姿が頭の中に思い浮かんでしまったと思います。
人は「〜しないで!」と言われると、必ず「〜する」イメージをしてしまうのです。
あなたが一度ラウンドで大ダフリしてしまったとします。
そのあと、あなたはこんな風に考えませんか?
「次はダフらないように…」
「ダフらないように」という言葉と「ダフるイメージ」はセットです。
ダフったシーンを想像して、あなたの体はダフるように動いてしまうのです。
これが、ミスから抜け出せない原因です。
ミスショットの連鎖から抜け出すポイント
あなたがミスショットの連鎖から抜け出し、調子を取り戻すためには「言葉遣い」から変えていきましょう!
「ダフらないように」と否定形で考えるのではなく「左腕の軌道を意識しよう」など肯定形で考えることが大事です。
そのためにも、ショットを打つ前にボールがまっすぐに飛んでいくイメージや、普段から先生やコーチに言われているポイントを肯定形でイメージしてから打つようにしましょう。
あなたの体はその、ショットが成功するイメージに反応して正しいフォームで動いてくれます。
毎回安定して、思い通りのフォームで狙った場所にボールを飛ばすには、イメージの活用も大事になってきます。
練習の際に取り入れてみてください!